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「え~?…キノ、この向こう…うわっ!!」
エルメスが門の奧を眺め何か言おうとするが、キノはガチャンとスタンドを立て、足早に門番兵に向かっていった。
「どーせ『早くシャワーが浴びたい』…とか言うんだろ~な……はぁ」
エルメスの呟きは誰にも聞かれず、キノはいつも通り3日の滞在を伝えた。
「いやぁ、旅人さん?4日くらいにしといたほうが良いぜ?」
「?何故ですか?僕は3日と言ったんですが…」
兵に言われ、キノは首を傾げ尋ね返す。
兵は遠くを見やりながらその答えを話し始めた。
「昔の国王はな、大きなモノが好きでな~…何でも大きな方がいいと言って、国も大きくしたんだ。」
「それが僕の滞在期間とどういった関係があるんですか?」
「つまりだ…この門が国境で、人の居る街まで早くて半日かかるってこった!この先まだまだこの景色だ。」
大きすぎるのも困りものだというように言って、兵は4日にするよう勧めた。
しばらく考え込んで、分かりましたとだけ言うとエルメスを押して、あけてもらった門をくぐり、入国した。
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