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それもそうだろう。 僕は二人と過ごしてきてから一言も発さず、発したとしても『あー』とか、『うー』とか意味のなさない言葉だった。 それが、言葉を発したのだ、意味の無い言葉ではなくちゃんと意味をもった語を。 しかし、僕が次に発した言葉はその真心の喜びに満ちた顔を苦く歪める事になった。 「何故だ! 何故、真心お前はあの時死んだのに生き返ったのに! 友は生き返らないんだ! 」 それは、そうだ死んだら生き返らない。 そう、それはこの世の真理だ。 しかし、もう僕はその真理を崩す存在を見てしまった。 『斎藤天』『哀川潤』『想影真心』 その三人は確かに一度死んだはずだ。 しかし、生きている。 この世の死という概念を免れた存在。
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