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「お願いします」
ぺこっと深々と頭を下げて、不良達は足早に去っていった。
その姿を見送ってから音羽は思いっきり欠伸をしつつ言い漏らしていた。
「めんどくさいな――」
「あ」
その時思いっきり木陰にいた俺と音羽の目が合った。
「綱ちゃんじゃん、何してるのそんな所で」
にぱっと笑うその姿は山本が紹介した時の彼女のままで。
不良達に囲まれて生活している様にはとてもじゃないが思えなかった。
「あはは………ゴミ捨て…かな」
のぞき見していたのを誤魔化す様に笑いながら返事をすると、音羽は全く気にしてなかったらしく笑顔を返してくれた。
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