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「わざわざ有り難う。他に用事あったのにさ」
すると音羽はさらっとした表情で言うのだ。
「いいよ、アイツそのまま見つからない方が嬉しいし」
(えぇ――― !? )
さらっと笑顔でいる音羽に開いた口がふさがらない。
どうも彼女は笑顔で凄い事を口にするタイプみたいだ。
「でも探さないと駄目だよねぇ………」
むぅ、っと頬を膨らませてから音羽は辺りを見渡しだした。
「何してるの?」
きょろきょろと辺りを窺っている音羽にそう尋ねると真顔で返答された。
「どうせあの馬鹿の事だもん。そこら辺にきっといるよ」
「それってストーカ…………」
「いた」
俺の話を聞かず、探している人物を見つけたらしく音羽は大きくため息をつきつつ言う。
「それじゃあまたね」
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