23人が本棚に入れています
本棚に追加
/212ページ
「んと一応たけちゃんから事前に聞いてるかもしれないけど。私の名前は音羽、山本音羽だよ」
だけど彼女の口から出た言葉に俺は驚いた。
彼女の名字は山本、らしい。
今まで聞いた事無かったけど山本兄弟いたのかな……。
でも同じ歳だし双子…………には見えない。
困惑しつつ俺が控えめに従兄弟か尋ねると山本の方が忘れていた、と言わんばかりの表情で言っていた。
「あ、そう言えば言ってねーっけな」
そんな山本の事を見ながら彼女は手を横に大きく振りながら言ったのだ。
「んーん、赤の他人」
それに付け足す様に
「俺と音羽は戸籍上では兄妹なんだよ」
と山本が言った。
「はぁ?何だそれ」
矛盾する二人の関係に獄寺君は怪訝そうな表情で言う。
そんな表情に一切怖じける事なく彼女は笑顔でさらっと言った。
「んと私の両親、私が幼稚園の時に交通事故死しちゃってね。山本のおじさんとおばさんが私の事引き取ってくれたから。あ、本名は如月音羽ね」
最初のコメントを投稿しよう!