23人が本棚に入れています
本棚に追加
/212ページ
「あ~~それ?実はさ、その『男』って多分雲雀なんだと思うんだよね」
「はぃ?」
拍子抜けした草壁をちらっと見てから音羽は言い続けた。
「んと、ものすご~く荒れてた時期だったんだけど、んと…………何人くらいだったかな……50人?それ位の女不良と戦ってる時だったかな」
その時の様子が草壁にはリアルに想像出来るのだった。
「途中から割り込んできた奴いてさ、『すげー邪魔くさい奴』程度に思って相手にしないでいたら、ほとんど一人で倒しちゃっててさ――」
「そ、それで?」
ズズッとお茶を飲んでから 音羽は嫌そうに眉間に皺を寄せて言った。
「あの決め台詞?『群れているから咬み殺されるんだよ』って言っててさ――物凄い鳥肌立った訳」
「…………で?」
「あまりの気持ち悪さにたけちゃんに相談したら『なら不良辞めれば?』って言われたから辞めた」
さらっと言い、美味しそうにポッキーを食べる音羽に草壁はぽかーんとした。
「…………」
最初のコメントを投稿しよう!