私と裏方の苦労

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「あ~~それ?実はさ、その『男』って多分雲雀なんだと思うんだよね」 「はぃ?」  拍子抜けした草壁をちらっと見てから音羽は言い続けた。 「んと、ものすご~く荒れてた時期だったんだけど、んと…………何人くらいだったかな……50人?それ位の女不良と戦ってる時だったかな」  その時の様子が草壁にはリアルに想像出来るのだった。 「途中から割り込んできた奴いてさ、『すげー邪魔くさい奴』程度に思って相手にしないでいたら、ほとんど一人で倒しちゃっててさ――」 「そ、それで?」  ズズッとお茶を飲んでから 音羽は嫌そうに眉間に皺を寄せて言った。 「あの決め台詞?『群れているから咬み殺されるんだよ』って言っててさ――物凄い鳥肌立った訳」 「…………で?」 「あまりの気持ち悪さにたけちゃんに相談したら『なら不良辞めれば?』って言われたから辞めた」  さらっと言い、美味しそうにポッキーを食べる音羽に草壁はぽかーんとした。 「…………」
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