499人が本棚に入れています
本棚に追加
さらに…
「お前を嫁に来させるように仕組んだんだ。
隣国の年頃の娘たちの家に、使いの者を行かせ、話を断るように話をつけさせた。
そうすれば、王は、お前を選ぶとにらんだ。
王には言うなよ?」
「で、でも…後継ぎは…」
「ああ、その話ならば大丈夫だ。我が国では、王家に後継ぎが生まれなくとも、国民の中から、ふさわしい人間を選ぶ事になっている。
妻がリュウシだという事は、父上も母上も、初めからご存じだ」
「……」
ポカンとするリュウシに、ラクスは言った。
「言っただろう?愛する妻よ、ずっと共に…とな。
リユ…いや、リュウシ愛しているよ」
「ラクス…様」
まさか、仕組まれていた事だなんて。
本当ならば怒るべき事なのかもしれない。
しかし、リュウシは嬉しかった。
自分を選んでくれた義父母、そして、隣にいる夫が。
まだまだ、いろんな事が待っているだろう。
でも、ここでなら、やっていける。
リュウシは、そんな気がした。
END
最初のコメントを投稿しよう!