499人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
リュウシを降ろすと、ラクスは言った。
「リユ、驚いたか?私はこうして空を飛ぶ事が出来るんだ。他にもいくつかは出来るのだがな」
リュウシは、まさかラクスにそんな力があるとは思わず、少し恐怖を感じていた。
(…どうしよう。男だという事がバレたら…何かされてしまいそうだ)
そんなリュウシを、ラクスは穏やかな表情で見ていた。
「リユ、ここならば靴を脱いでも平気だ」
リュウシはハッとして言葉を返した。
「しかし…」
「大丈夫だ。もし、歩けないほど足が痛いのであれば…」
ラクスは再び、リュウシをお姫さま抱っこする。
「ひゃっ…ラクス様…」
「やはり、これが良いかな」
リュウシは顔を赤くする。
「自分で、歩けます…」
すると、ラクスはクスッと笑った。
「リユ、私がこうしていたいんだ」
「え…!?」
ラクスは、リュウシを抱き上げたまま、しばらく浜辺を歩き
夕日が沈む頃になると、そのまま空を飛び、城に帰った。
最初のコメントを投稿しよう!