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翌朝、リュウシが目を覚ますと、ラクスのベッドに寝かされていた。
身体は綺麗にされ、下着とパジャマも着せられていた。
「……痛っ」
起き上がろうとした、リュウシは痛みで再び寝ころがってしまった。
そこに、ラクスが入ってきた。
リュウシは慌てる。
すると、ラクスは意外な言葉を口にした。
「リユ、おはよう」
「お、おはようございます」
キョトンとする、リュウシに、ラクスは、さらに続けた。
「リユ、昨晩は驚いただろう?」
「え…あ、あの…」
「驚いて当然だ。リユ、いや嘘つきな妻よ。実はな……」
「えっ!?ええーっ!!?」
「というわけだ。すまなかったな」
リュウシが、なぜ驚いているのか。
それは、昨晩の出来事、あれは、わざとだったからだ。
どういう事かというと、ラクスはリュウシを初めて見た時から男だとわかっていたのだ。
しかも、隣国の第三王子、リュウシだという事も。
「リユ、お前の髪と瞳の色を持つ人間は、私が知る限りはお前しかいないんだ」
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