第1章 見えざる飛竜

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「ぐ・・・・・・」 弾き返された衝撃で、バスターソード改をはじきとばされてしまった。 さらに、バサルモスが突進してくる。 足の骨がおれたのか、立つことができない。 ――おれは死ぬのか。そう思うと、突然「恐怖」が襲ってきた。バサルモスの外殻が、こんなに堅いとは、知らなかった。 「どこのどいつだよ、バサルモスなんかで負ける奴は」 そんな声が聞こえた。そっと顔をあげると、背が高い二人の男が立っていた。 「おうおう、誰かと思えばまだ少年じゃないか」 先程の声とは別の声が聞こえた。 最初に声を掛けてきた男がもっていたのは、《天下無双刀》だ。 男は、《天下無双刀》を「いやー!」と叫びながらバサルモスに振り落とした。 ギャオオーン・・・・・・・・。あんなに堅かった外殻を、《天下無双刀》がいとも簡単に斬った。 もうひとりの男は、ガンナーであった。武器は、《超イャンクック砲》。希少な《青怪鳥の耳》を使った武器だった。 「行くぞ!」そうガンナーの男が叫ぶと、《天下無双刀》を振り回していた剣士の男が「おう!」と返す。 ドーン!鋭い発射音と共に、貫通彈が放たれた。 貫通彈は、バサルモスに命中すると、爆発した。 それが、1発、2発、3発・・・・・・・。たまぎれになってリロードしている間に、また《天下無双刀》が舞う。 すごかった。バサルモスが、たった数分でドーンという地響きを立てて倒れた。 「ふー。やったか」 「――のようだな」
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