第1章 見えざる飛竜

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二人の顔が笑顔になる。 「こ、これが、チームプレー・・・・・・」 ジークは、思わず呟いた。そして「――あなたたちは、どこから?」と、二人に訊いた。 「ん?俺たちは、《タバルババ》の街から来た」 タバルババ――。その街の名は、聞いたことがあった。ココット村にもある、《ハンターズギルド》の本部がある街だ。即ち、「ハンターの街」なのである。 「フーン。こんな少年がバスターソード改を使っているなんて。ん?装備は、《ハンターシリーズ》か?」 そう、ガンナーの男が言った。「俺はカイ・エルブレド。このパーティーのリーダーだ。で、《天下無双刀》使いは、ハル・ガルズだ。ま、もう会うことはないだろうがな」 「お、俺はジーク!」 「ジークか。ま、タバルババにくる機会があったら、そんときはよろしくな」 そう言うと、二人はさっさとたたさった。 ジークは、帰りの馬車の中で、ずっとあの二人のことと、「街」について考えていた――。
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