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――クェェェェ!
すざましい飛竜の咆哮が森の中に響いた。思わず、ジーク・マクライドは背中にある大剣の柄を掴んだ。
バサッバサッという羽音が聞こえてきた。ふと上空を見上げると、奇怪な格好をしているイャンクックが現れた。
地響きとともに、イャンクックは地面に着地した。まだ、こちらには気付いていない。
ジークは、背後に歩み寄ると、《バスターソード改》を取り出した。
(行くぞ)
ジークは、気合いを入れると、《バスターソード改》を大きくふりおろす。
ぐさり。そんな音と共に、血しぶきがジークにふりかかった。そんなことも気にせず、さらに2度、3度と大剣をふりおろした。たちまち、イャンクックはよろける。チャンスとばかりにジークはさらに攻撃を加えた。
イャンクックの咆哮が鳴り響く。そして、バサッバサッと羽ばたくと、スーッと天空に舞い上がってその姿を消した。
フーッとジークはため息をついた。ジークはまだ16歳と歳は低いが、それでも立派なハンターだった。
リュックから携帯食料を取り出すと、それを一気に食べた。
――よし、行くか。
そう思うと、すっと立ち上がり、イャンクックを追いかけた。
区域(エリア)5に、イャンクックはいた。大きな揖斐をかきながら眠っている。
ジークはまず、周りにいる《ランポス》を狩ると、バスターソード改に刃こぼれがないかを確認すると、イャンクックの近くに《大タル爆弾》を仕掛け、それを《小タル爆弾》で点火させた。ドーンというすざましい爆発音が洞窟を揺らした。
イャンクックが起き上がる。そして、間髪をいれずにジークはバスターソード改をふりおろした。
何度か切り刻むと、ズゥゥゥゥンと地響きを上げながらイャンクックは倒れた。
しばらく、ジークは倒れたイャンクックを見つめていた。しかし、いくら待っても起き上がる気配はしなかった。
「や・・・・・・やった―!」そんな、ジークの叫び声が、洞窟の中に響き渡った。
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