プロローグ

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匠は、最後に虚しさを感じたのはいつだったろうと考えてみた。当たり前のようにしてきたが、昔は罪悪感のひとつも感じていたのだろうか、と。 ダメだ。 考えていたら益々効率が悪い。今は目の前の現状を見つめよう。 とにかく今を生き抜くため。 『今』を崩さないために。 「しかしあれだよな、これで生計たてるなんてマジどうかしてるよな」 「そういうお前も無償で付き合うなんてマジどうかしてるよ」 「ははっ確かにそうかも」 こうして匠は毎日毎日、夜の街へと向かう。
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