第一章.堕落

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「そんなに銃が欲しいか?」 男が匠に視線を戻したとき、匠は床の拳銃を見ていた。 黒く光るそれは、憎悪を奮い立たせる。 男に見せ付けるようにゆっくりと拳銃を拾った匠は、男の額に銃口を突き付けた。 ぐりぐりと押し付けると、男の歪んだ顔がさらに歪んだ。 「ごめんなさい…!ごめんなさい…!!」 引き金を引けば、男は黙るだろう。 匠が引き金に指をかけたその時だった。 「匠…やめろ…」
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