16人が本棚に入れています
本棚に追加
信也の怪我がよくなるまでは『仕事』にはいけないので、暫くの間は百瀬家の収入が断たれる。
だが、鞄に入っていた金額は洒落にならない額だったため、無茶な生活をしなければ四ヶ月は『仕事』に行く必要がなさそうだった。
その間に信也の怪我も治るだろうし、匠も心を落ち着かせるいい機会になると考えた。
「とりあえずご飯食べて。体調悪いなら特に」
今日は日曜日なので、由里には仕事が休みという設定で話してある。だから朝はゆっくりめに起きた。
「ありがとう。ちょっと新聞取ってくるわ」
匠はそう言って居間から出ていった。
匠はいつも通りの週末を過ごすことに、罪悪感と違和感を覚えていた。
最初のコメントを投稿しよう!