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「こんなに面白そうな話ないじゃない♪
ひきこさんもひとりかくれんぼも所詮も楽しかったけど、それよりも楽しそうな感じじゃない。
これも楽しそうだと思わないの?」
いやいや、この手の話を楽しいって思えるのは千尋ちゃんだけだと私は思うよ?
「ともかく、私は絶対にこんな危険な話に乗らないからね!」
「確かに、久遠さんの言うとおりあまり関わらない方がいいと思うけど…」
「わかってないなー酒井君も由希ちゃんも。
日常なんてつまらないことの繰り返しじゃない?
変わらない毎日、変わらない感情日常。確かに平和だわ。
だけど、平和すぎて、感動さえもないわ。
こんな時だからこそ、私たちは一生懸命になるってこと必要だと思うの。
何か怖いものに触れるっていうのもドキドキするじゃない?
そういうちょっとしたドキドキも大切だって私思うんだ?」
ふわっときれいな髪をなびかせてにこって笑う。
その顔はまるで天使みたい。
言っていることは相当クレイジーだけど。
「だ・か・ら…」
「え?」
「私と一緒に赤い部屋探してくれる?
私ひとりじゃ怖いの。酒井君が一緒なら心強いんだけどなー
私と一緒にドキドキしようよ。」
手をぎゅっと握りしめてお願いですかい。
あんたはどこの少女漫画見てそんなベタなお願い覚えたんだよ。
今どきそんなベタなお願い聞くやつなんか…
「え…えーと」
効果テキメン∑(00;)!何違う意味でドキドキしてるのよ!
「い…いいよ」
「ちょっと酒井くん!もうちょっと考え…」
「由希ちゃんは黙ってて!由希ちゃんはこの話乗らないんでしょ?」
してやったりみたいな顔している。
天使の顔した悪魔ちゃんですか。
そりゃ乗りたくは無いけど、私からしたら酒井君が超心配でたまらないんですけど。
このまま断る方向で持って行きたかったけど、酒井君を見事に人質に取られちゃったからなぁ。
ちくしょう。
「くっ、もう…仕方ないわね!一日だけだからね」
「やったぁ!」
こうして、長い長い夜になることが決定したのでした。
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