序章

8/8
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
えーと、話が始まる前に簡単に諸設定について話しておかなくちゃね。 主人公となる私。私は久遠由希。高校2年生になります。 部活は吹奏楽部で…ってそんなこと興味ないか。 私自身怖がり…っていうか、とある事情により幽霊とか怪奇現象に関わることが好きじゃないの。 あんまりそういうことには関わり合いを持ちたくないんだよね。 そして、重要な役をしてくれるのが美山千尋ちゃん。 容姿端麗ですっごくかわいいんだけど、背が低いことを本人は嘆いていたわね。 怖いの大好きなちょっとクレイジーな頭の持ち主。 何か怖そうなものを見つけるとそれに無理やり私を巻き込んでくれるの。 ひとりかくれんぼとかひきこさんの時とか本人は何もなかったって言ってたけど、 私がいなければどうなっていたことか。 強制的に参加させられた酒井一馬くん。 クラスの中でも比較的おとなしめのほうだけど、持っている情報量はすごい。 男子の中でもかなりのネットワークを持っているし、それにとても頭がいいの。 成績は学年トップなんだけど、すごく勉強家ってわけでもないんだよね。 なかなか話すことないんだけど、けっこうシャイなほうだと思う。 さて、赤い部屋を探すことになったんだけど、 あれからの話の流れで千尋ちゃんの家で調べるということに落ち着いたわ。 千尋ちゃんの家はひとり暮らしで、 私や酒井君の家と違ってその点では自由が利くってことでね。 学校終わってからすぐじゃなくて、 ちょっと準備があるからってことで7時に集合ってことに。 私はともかく酒井くんが千尋ちゃんの家が分からないってことだったから、 近くのコンビニで待ち合わせをしてから、私と一緒に行くってなっちゃった。 ほんとはさー、すっごく気が進まなかったの。 だって嫌な予感しかしないんだもの! とりあえず、千尋ちゃんが興味を持つって時点からね。 何かしら大きなトラブルに巻き込まれるのは目に見えていたの。 その日も私の予感は的中した。 予感っていうよりもどっちかっていうと必然みたいな感じだったんだけどね。 ま、これだけは言えるわ。 赤い部屋は実在したの。 そして、好奇心なんかでその扉を開けちゃいけないってね。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!