プロローグ

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―――――――――― ――――――― ―― …… そっと目を開く。 カーテンが開く音がして、朝日がさぁっと部屋中に広がっていった。 それを合図に私は、ぐーっと伸びをしてベッドから立ち上がり、髪をボリボリと掻く。 いつものように寝癖で乱れた髪を、意味も無く直そうと試みるが、やはり水をつけないと意味が無かった。 チチチッと何かの鳴き声が聞こえる。 耳をすましてみると、鳥のさえずりだとわかった。 可愛げに鳴いている。 窓へと目をやると、空は雲ひとつない快晴。 空が青い。 窓が開けられ、心地よい潮風が、ふわっと入てきて、私の意識を徐々に覚醒させてくれる。 窓の左側に飾られている名前の知らない赤い花も、潮風に揺らされ気持ちよさそうだ。 ふうとため息をつき、気持ちを落ち着かせる。 窓の近くにまでいって外の景色を眺めた。 窓から見える海は、太陽の光が反射してキラキラと輝いている。 太陽の光が眩しい。 私は、しっかりと目を覚まそうと、太陽の光を顔いっぱいに受けとめた。 ―――――――― ―――― ―― 下の方に目をやると、庭に雑草が元気よく生えている。 そこには、4羽の小鳥が戯れていた。 さっき鳴いていた鳥だろうか。先ほど聞こえた鳴き声をあげながら西の空へと飛びたっていった。 鳥が飛んでいった方を見ると、海沿いに民家が連なっていた。そこにあるコンクリートでできた家も、太陽に照らされ、真っ白に輝いている。 ああ…… 最高の朝だ。
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