4741人が本棚に入れています
本棚に追加
兄ちゃんの話を聞いてから、恐る恐る4人の方へ近寄る。
う、深海さん怖い……っ。
「あ、あのー……?」
「てめぇらはアレか? 普段して貰ってる恩義に何も感じねぇのか? 普段から忙しそうにしてる坊主の邪魔して、最低だとか思わねぇのか?」
「て、手伝おうとしてたんだっ」
「邪魔しようとなんて思ってないよ」
「オレはー、生クリーム泡立ててただけだしー」
「口答えすんなや、潰すぞ」
「「「…………」」」
お、恐ろしいことを日常会話に使うとか!
3人の表情が青ざめてくのを見て、もうどうにもなれ!と深海さんの背中に抱き着いた。
「っ、!!」
「「「!」」」
「……チッ」
「ふ、深海さん、ご飯!! 俺の作ったご飯を食べて下さい!!」
「、坊主、おま……っ」
「冷めたら、俺、泣きますからね! めちゃくちゃ泣きますから!!」
もう何か必死に訳のわからないことを口走りながら3人を怒ろうとする深海さんの背中に抱き着いてたら、「わかった、食うから離れろ」と、剥がされる。
「つか、泣かれたら困るからな」
「す、すみません……何か、必死で……もう、怒らないで下さい」
「…………は?」
「確かに、祐一郎さんたちがキッチンを汚した時は物凄く落ち込んだけども、みんな、俺のためだってわかったら、その……嬉しかったし……買い出しとか、何か一生懸命手伝ってくれようとしたの伝わったんで、気持ちを受け取ります。それに、深海さんがケーキくれて、すごく嬉しかったですよ」
「……坊主」
何か照れ臭くなってきて、でも感謝の気持ちを深海さんとみんなに聞こえるように言うと、腰に鋭い衝撃が走った。
「若ぁぁあ!!」
「え、ちょ、ゆ、祐一郎さん!?」
突撃してきたのは祐一郎さんで、そのままぐりぐり腰に頭を押し付けてくる。
「若、すげぇ良い奴!! 俺様、若のこと、好きから更に大好きになった! 若大好き!!」
「え、あ、あの!?」
「オレもー。若葉ちゃんの優しさに胸がキュンってなっちゃったー。だからぎゅー」
「え、え、榎本さん!?」
祐一郎さんの反対側から榎本さんに抱き締められた。
何、この状態!?
「そこまでにしろ、変態が」
混乱してると、兄ちゃんが何の躊躇いも無く榎本さんを蹴り飛ばし、祐一郎さんを引き剥がしてそのまま背負い投げをした。
兄ちゃんは何故かめちゃくちゃ不機嫌になってました。まる。
最初のコメントを投稿しよう!