拾っちゃう6月

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拾っちゃう6月

「どうだ。少しは慣れたか? ……優しい? 甘えられてる、の間違いだろ。どこをどう見ても、お前が甘やかしてるようにしか見えないが……まぁ、良い。 優しいお兄様は、お前の尻の穴が無事でいるかが心配だ。何を怒る。男で処女喪失ほど空しいことはない。榎本、か。確かにあのホモには重重気を付けろ、とは思うが……まぁ、良い。お前の処女を奪った奴がいるなら世から排除してやる。どうした、怯えて。お兄様なら出来るが。 最近、お前はどうも変な輩に好かれ易い、のを思い出してな……いや、奴がお前に会いたがってるだけだ。安心しろ、弟想いのお兄様が阻止してやってる。奴は近付けないでやろう。 だが、そうじゃない。お前は変わった男に好かれ易い。現に日暮れ荘の全員が懐いてる……ここまでとは、思わなかった。それに、お前の部屋に男のアイドルグループの物が増えてるのが気にかかるんだが……何、クラスメート? あぁ見たことあるような……どうでも良いが。あの友達と言って貼り付く奴も頭がおかしいからな。それだ、そのペドだ。早く刑務所に収容されれば良いものの。 ……お前は、仔犬やら仔猫やらを拾いたがるだろ。そんなに世話が好きなのか。 良いか、変な物は拾うなよ。飼えないからな。日暮れ荘に犬代わりのように懐いてる奴がいるだろ、それで我慢しろ。犬が好きなら、ぬいぐるみでも買ってやるから我慢しろ。 良いか、絶対に何も拾うな。もし、言うことを聞かなかったら……」
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