〇彼女〇

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俺や麗香が住んでいる漉雅市は海岸線にあり、漉雅高校から自転車を走らせれば10分で海岸に着くのである。 海に着くと自転車を近くの停輪場に止め海岸に二人で下りていった。 海岸に着くと夕日が沈みかけていて俺と麗香の顔は鮮やかな夕日色に染められていた。 空を見上げると日暮れと夜の境界線と言える星が一つ二つ光っていた。 麗香がうれしそうに笑う声と共に波の声が俺の胸の中に染み込んでいった。 ふと、麗香を見ると夕日を見ながら微笑んでいてフワッと潮風が麗香の短い髪をさわった。 俺は麗香のそんな姿に見とれてしまった。 俺の視線に気付いたのが麗香は俺の顔を見た。 「どうしたの?」 麗香は不思議そうに俺を見つめた。 俺は恥ずかしくなり空に視線を移した。 「べ、別に、、、」 「ふーん。」 そう言いながら麗香も空を見上げた。 その瞬間二人はことばを失った。 見上げた空には、今さっき見た空とは違い空一面に星の群れが出来ていた。 麗香は空に手をのばした。 俺は麗香を見ながら微笑んだ。 「そんなことしても星は掴めないよ。」 俺が笑いながら言うと麗香は空に手をのばしたまま言った。 「だって今にも降ってきそうでなんとなく。」 そう言う麗香の顔は笑っていた。 麗香の笑顔に俺はつられて麗香に笑顔を見せた。
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