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※
攻撃は、一方的な“殲滅”だった。
迷いも戸惑いも、一切の感情を消し去った“破壊”が其処にはあった。
まさしく“マン・マシン”だ。
《旧 統一政府軍(UGF)》が〈T.system〉を正規軍初のARMM〈UA-000 ワルキューレ〉に採用した時、軍部はこれを“MMI(Man Machine Interface.)”と呼んだらしい。
字句通りに作用し過ぎて、シュナイツは気味の悪さを覚えると共に深い憤りを感じた。
何が“マン・マシン”だ。
人殺しを正当化する為に、軍が自らを欺いただけではないか。
畢竟、このような特殊部隊による非正規作戦によって多くの無垢な市民が虐殺され、“無感情”の許に何の躊躇も無く踏みにじられるのだ。
シュナイツは訝った。
いったい、誰がこのような兵器を復活しようと画策したのか。
その男(叉は女)は、まさしく鬼の子だ。
〈アッチェント・グラーヴェ〉が、強襲揚陸艦よろしく市街地上空を舐めるように駆け抜ける。
その長大な巨体から雨あられのように無数のミサイル群が放出され、また同様に激しい粒子ビームが地上を猛進するように撃滅せしめた。
迎撃に出た機体は、驚く程少ない。
その全てが〈ネハシム・セラフ〉や〈ハ=マルアハ改〉の猛攻にあい、波状攻撃の中で無惨に散っていく。
もはや、対抗戦力は無いに等しかった。
〈アッチェント・グラーヴェ〉とその僚機達は、無力な〈ブラジリア〉の街を蹂躙していった。
※
強襲開始からおよそ5分。
〈ブラジリア〉は、病室でエミル・ナルヴィに見せてもらった映像とほぼ同一の様相を呈していた。
沈黙が、痛々しかった。
血と爆炎に彩られる〈ブラジリア〉は、見るに絶えなかった。
シュナイツは、ノベンタ・ヴァーテミウス大佐が良心の呵責を覚えるのを束の間期待した。
自分でも予期していなかった事で驚いたが、当然だと思った。
自分は腐っても“第壱艦隊”であり、腐っても“ヴァーテミウス小隊”なのだ。
これが、己の見る幻覚であって欲しいと心の何処かで強く期待していた。
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