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ネガとポジの世界を、俺は最も美しいと思う。
シロとクロが描き出す、少しレトロだけど風情ある町並み。サイレントの中淡々と流れる噴煙と戦火。残酷なものも、滑稽なものも、モノトーンの世界は公平に、感情を切り取らずに映すのだ。
セピアの色合いも嫌いではないが、色味があるそのものが俺はあまり好きではない。鮮やかさを持つと感情が入る。俺は徹底して、映像から感情を無くしたいのだ。
それを公平として、新たな視点にする。
古いものが好きなわけじゃない。俺はただ、無機質なシロクロの世界が好きなだけなんだ。誰かわかってくれないだろうか?
友人には「わからなくはないが、カラーのほうがいい」と言われた。
ああっ、それはまったくわかってないのと同じじゃないか! カラーなんてあちこちにありふれてる。モノクロは人工的に作業してこそうまれる風合いなのにだいたいあいつらは何もわかってないんだそうだ俺の考えを理解する気がないんだから当然か口先だけで納得しやがって云々……
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