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「早速ですが、ご飯の食べ方からお教えします」
「……は?」
舐めてンのか、こいつ。オレが飯も満足に食えない赤ん坊だと思ってやがるのか。だとしたらぶん殴る。
オレが殺気を放つと、シロガネは両手を上げた。降参、とか手を挙げろ、とか警察がやりそうな感じで。
「待ってください。人間とは勝手が違うんですよ。それに食事は生存に不可欠です。だから、騙されたと思って聞いてください」
そこまで言われると、従わざるを得なくなる。オレは緩慢な動きで頷いた。
「ありがとうございます」
一礼するこいつの動きは、流れるようで品があった。何者だよ。
「では、簡単に説明を。華は、人間か妖怪、あるいは半妖を『糧』とします」
「……かて?」
「ええ。平たく言えば」
何となくわかったが、実際に笑顔で言われると背筋が凍り付いた。
「彼らを殺し、食べるわけです」
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