星の誕生

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 身体中をやたらと熱いモノが駆け巡る。その感覚から解放されたい。そう望んだが最後、オレの意識は吹っ飛んだ。  その後何が起きたのか、オレにはわからねェ。たった今目を覚ました。 「ン……?」  辺りを見渡す。  タバコとは違う、煙たい匂い。紫煙というか、そんなんのせいで視界がはっきりしねェ。最悪。オレ煙たいの嫌いなんだよ。  いかがわしい香も焚いてある。ヤな匂いが混ざってわけわからん。  つーか、何だこの雰囲気。俗に言うヤバイトコじゃあ……? オトナの遊び場?  そうだ、やたらデケェ派手なベッドとか、やたら豪華な椅子とか! 目の前に胸のデカイ女がいる……し。 「え?」  誰だ、このひと。  オレをジロジロとみていやがる。居心地悪ィ。気味悪ィ。  耐え切れず、オレは言った。 「あの、ドチラサマですか」
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