54人が本棚に入れています
本棚に追加
/127ページ
商人として、自分が目利きして集めてきた商品の価値が認められ、買われることほど嬉しいことはないでしょう。私はそう思っています。
商人はそれぞれ、専門の分野を持ち、その収集に力を注ぎます。このジャンルなら誰にも劣らない、そういったプライドを持ちながら。
私の専門は、美しいものです。
ふふ、抽象的だと思われますか? 日のあるうちはちょっと言えないんです。私が集めた商品は、夜の世界でこそ光るんですから。
嫌ですね、けしてやましいものじゃありませんよ。言い方が悪かったみたいです。暗い空間でこそ、その価値を理解してもらえると言うことですよ。
そうだ、もしよかったらあなたも私の店に来ませんか? 私の自慢の品々を、見てもらいたいんです。
店は夜から営業します。日が落ちたころ、灰色のビルの地下にいらしてくださいね。心よりお待ちしています。
最初のコメントを投稿しよう!