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あの。
オレが女にそう声をかけたら、女は相変わらず信用ならない、エロい笑みで応える。
「何か御用?」
「はい。えっとその……いくつか聞きたいことがあるんですが」
「ああ、そうでしょうね」
ワタクシも聞きたいことは焦らされたくないタイプですの。
何でワタクシ「も」なんだ。別にオレは焦らす焦らさないとかを問題にしてるわけじゃあないんだけど。面倒臭そうな女だな、話出来るのか……?
一抹の不安がよぎる。しかしさすがに引き下がれない。オレは少しずつ質問を始めることにした。
「じゃあ、聞いていいですか」
「ワタクシにわかる範囲でよろしければ」
では、遠慮なく、容赦なく聞かせてイタダコウじゃないか。
「じゃあまず……あんたは誰だ?」
いきなり馴れ馴れしくなったが気にしない。敬語とかは苦手だ。容赦なくやるんだから、これくらい寛大に見てほしい。
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