星の誕生

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「そういうお話は苦手?」  苦手とかじゃなく、そういう話はまだ早ェっつの! 「可愛いこと。純粋で初心で、無知で」 「え」  今、棘のある言葉を聞いた気がする。でも十四ならそんなモンだろ? 保健だってそんなこと教えないし、って何弁明してんだろオレ。どんどん墓穴を掘っているような。 「とにかく、ありがとうございましたー。もう大丈夫です」 「あら、そう。他にはありまして?」  そうだ。ここがいわゆる歓楽街とかいう並びにある店の類だってこと。女はカメリアということ。それはわかった。  まだ大事なことは聞いてない。 「ある。オレはなんでここにいるんだ?」 「ああ。それでしたら簡単です」  その返事は全然簡単なことじゃなかった。 「アナタはワタクシの実験の被験体だからですわ」
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