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「な、ンだよそれ。被験体って」
「モルモットに説明する馬鹿がおりまして?」
「……ッ!!」
ぶん殴ってやろうと思った。本気で。体育の成績は常に5のオレだ、こんな手足が骨みたいなヤツ、簡単に殴り倒せると思っていた。
のに。
ドクン。
そう表現するのが適当な音が、身体の中でした。心臓が跳ね上がるような、発作のような。この感覚は、自制しがたい、焼けるような痛みは。
「う、ああッ!?」
あのときと、同じ?
「素直な反応は嫌いじゃなくてよ」
カメリアはくつくつと喉を鳴らす。こいつ、オレが怒るってわかって言いやがったな。
「ワタクシは研究者ですから、自分の成果は披露したいタチですの。でも、身をもって知った方が早いでしょう?」
焼かれる痛みに床を這うオレを見下すカメリア。その構図が、オレのこの先を暗示していた。
「あなたはワタクシに逆らえない。ワタクシの従順なモルモットとあるのです」
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