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君を見てると思い出す。
さらさらした黒髪。
時々邪魔そうに前髪をよける仕草が似てる。
なんとなくだけど。
「前髪切ったら?」
『短いの好きじゃないの。』
短い方が顔が良く見えるのに。
可愛いのに。
なんて、恥ずかしくて言えないけど。
あなたとずっと歩いていけると信じていた。
繋いだ手は離れないと思っていた。
全部夢だったの?
生涯ただ一度の恋。
あの冬の記憶。
目を閉じれば涙と一緒に溢れ出すのに。
拭ってくれる手が今はもうない。
願えば叶うなんてそんなの嘘だよ。
ねぇ、寂しいよ。
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