イモオ

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朝起きてすぐ俺は鏡の前に立った。 妹尾 彰(せのお あきら) それが俺の名前だ。 寝癖だらけの頭に少しぽっちゃりした体型。 頭が悪くもちろん運動なんて出来やしない。 顔もパッとしないし、いいとこなし。 唯一の取り柄はお金に困らないこと。 俺の親は医者でお金に困ったことはなかった。 俺はそんな自分が大嫌いだった。 名前だって妹尾。 なんて名前のせいで皆にはイモオと呼ばれている。 まともに名前を呼んでくれる人などいなかった。 なぜそんな俺が鏡の前に立っているかというと、それは一冊の本が原因だった。 昨日読んだ本の中に朝起きて鏡を見たら、昨日までの自分が嘘のように姿形が変わっていた。 という一文があったからだ。 それが原因で俺は嫌いな鏡の前に立ったが何一つ変わっていなかった。
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