さようなら、愛しい人。

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その日は、冷たい雨が降っていました。 盛りを過ぎた桜の花弁は、季節はずれの冷たい滴に残酷にも身をなぶられ、 1枚、また1枚と、その儚い命を散らしていきました。 来るはずもないあなたを待っていた私の傘には、今もまだ、その名残がはりついています。 いつまでも消えることない、あなたへの思いとともに。
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