冬の夏乃ちゃん

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   「美咲、美咲!雪!雪ふってるぅ!」  わたしは、白いミトンの手袋に包まれた手のひらを上にして、雪が次々に乗る様を見ながら、美咲に言った。  手袋の白にも、溶け込まないくらいもっと白い雪はキラキラしていて、とっても綺麗。  「寒いから嫌だよ、アタシは……」  そうぼやく美咲は、中学二年生とは思えないくらい大人びていた。  「なんでよー!いいじゃん、雪」  それに対して、ふんふんと鼻歌まで唄っちゃうわたし。ただのマイペース能天気女である。どうにもこうにも、この性格は直らない。  
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