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こんなに暖かいのに、変だな。美咲は暑がりだと思っていたのに、わたしはとんだ思い違いをしていたみたい。
「美咲、寒いの?カーデ貸そうか?」
もぞもぞと脱ぐ。せっかくカーデを美咲に手渡そうとしたのに、美咲の言葉は、思いもよらないものだった。
「は?いらないよ、暑いもん。夏乃、アタシが暑がりだって知ってるでしょ?」
なに矛盾ぶっこいてんだ、と思った。たしかにいま、寒いって聞こえたのに。
「でも、いま寒いのにアイス?って言ったじゃん」
変な冗談を言ってるなぁと思い、笑って返した。
「いや、言ってないけど……?」
怪訝そうな顔でこちらを見る美咲。なんか、本気みたい。空耳だったのかな?
「あれぇ?おかしいなぁ。まぁいっか、いこ!ポッピングシャワー食べたい!」
そのときはあまり気にもせず、教室をあとにした。
空耳にしては、妙にハッキリ聞こえたんだけどなぁ……。
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