幻影の侵略者

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「はあ~」 溜め息をつきながら、浴室を出て、バスタオルで濡れた髪の毛を掻き回す。 いつも通り、そのまま冷蔵庫へ向かうが、途中で机の上の携帯に視線を向けてみる。 メールを知らせる着信ランプは点灯していない。 何か面白い事が起きないか? 例えば全国民にメールが届いて、殺人ゲームを開始しちゃって優勝者には賞金100億円みたいな非現実的な事がさ……。 もしくは、こんな夜に宅配便が届いて、中に入っているゲーム始めると危険な世界に巻き込まれちゃうとか……。 「起こるわけないか……」 あくまでも妄想だけど。実際はそんな事が起こりうるはずがない。 ここは現実世界なんだから。 どこかのゲームの世界に巻き込まれる事はない。 あくまでも現実は現実なんだから。 夜の十時。 明日も朝早いんだから、飯食ったらすぐ寝よう。
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