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何だ。あの光は……。まるで吸い込まれるように、足はその光の方角へ向かって、どんどん進んでいく。
近づくにつれて、光が大きくなっていく錯覚を起こすほど目映かった。
しかし。次の瞬間、俺はピタリと足を止めた。
いや、本能的に体が止まったんだ。同時に、全身から血が抜けていくような感覚に陥った。
角膜がぎゅーっと縮んでいくような気がする。
目を疑う光景が映し出された。映画の撮影か何かかと思ったんだ。
次に臭い。今までに嗅いだ事もないような臭いが鼻を刺激する。
人間が逆さの状態で木に吊るされていた。それも一つや二つじゃない。
太い木の枝からいくつも逆さに吊るされている。
なんだよ。これ……。何かの冗談だろ。
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