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駅に向かう途中、仁は夢中になって池袋西口公園に出来た穴の話をしていた。
ひたすらニュースやネットで調べたらしい。さらには、自分で足を運んで実際に穴も見に行ったの事だった。
「すげえよ。あの穴は。俺が行ったときは、もちろん封鎖されてたけど、底が見えないんじゃないかってほどだったもんな」
「実際、あんな街中で巨大な穴とかできるのか?」
「まあ、世界だと稀にあるけどな。簡単に説明すると、地面の中に巨大な氷の塊があって、それが温暖化によって溶けるみたいな。そうすると、地面は当然沈むから巨大な穴が作られるんだ」
「なるほどね」
「池袋西口公園にできた穴は、そう言った科学的な事じゃないと思うけどな。あんなのは何か巨大な力が生じないとできない」
地面の中に巨大な卵とかないのかな? その卵がかえった事によって崩れたみたいな。
いや、いくら何でもそれはありえないか。
自分でボケて、自分でツッコミしている自分が嫌になる。
「おっいた」
駅に到着すると、仁は待ち合わせしている相手に向かって手を振った。
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