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花の種類
車内にはなぜか翔にはききなれない洒落た音楽が大きなボリュームで流れバックミラーで何度も自分をチェックする翔。
栄太「いつから?」
翔「何が?」
栄太「いつからその娘気になった??」
ボリュームを一気におとす翔。
翔「・・・先月にお袋入院しただろ?骨折で」
栄太「ああ、もう退院して元気してるんだろ?」
翔「おかげさまでな、その時・・・お袋の入院する病院の傍の花屋さんなんだけど・・・お袋のお見舞いに行くのによった時にな・・」
嬉しそうに語る翔、でもなぜか不安な雰囲気を感じさせる横顔だった。
栄太「そんで、きいたの?番号とか年齢とか」
翔「・・・まだだよ」
栄太「そうかぁ・・初対面でいきなりはまずいもんな、二回目だったらいけるっしょ」
ハンドルをギュッと握りしめる翔。
翔「・・・二回目じゃない・・」
栄太「えっ!?」
おとした音楽のボリュームよりも小さな声の翔。
翔「・・今日で五回めなんだ・・・」
栄太「えっ!?五回目!?」
おもわずさっきのおとす前のボリュームよりも大きな声になった俺。
翔「ああ・・・まだなんも花の種類とかしか話してないんだ・・・」
たしかに翔は昔はヤンキーで顔も男前で自信の塊みたいな男だったが女の子関係は全然だったからな、それがさっきの翔の横顔に出てたのかもしれない・・・
栄太「五回って・・逆におかしいだろ?」
翔「わかってるよ!わかってるカラ今日は勝負しに行くんじゃねーか」
またハンドルをギュッと握りしめる翔。
栄太「オーケー、じゃあ俺は翔の横で話を作りパスを出す置物になればいいんだな」
翔「・・いえす、あい、どぅー」
そして二人は花屋についた。
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