29人が本棚に入れています
本棚に追加
/141ページ
「タルトもうお昼よ、そろそろ起きない」
ママが部屋に入ってきて声をかけた。
「もう朝なの?」
タルトがまだ眠そうに答えたの。
私は出来る事なら後少し、タルトの暖かい体温を感じながら眠っていたかった。
でも残念だけどママは私たちの被ってる布団を強引に剥がしたの。
それでタルトは諦めて起きる事にしたみたい。
「はぁ~、ママおはよう」
「おはようタルト。お昼出来てるから降りてきて食べなさい」
「う~ん・・・・。お昼ご飯・・・・なぁに?」
そういうとタルトはまた横になっちゃった。
私の身体にまた、タルトの温もりが伝わってきたの。
「ほら、起きなさいって。お昼オムライスよ」
オムライスと聞いてタルトは飛び上がるようにして起きたわ。
「オムライス!やった~」
「それじゃ、早く降りて来なさいね」
タルトが返事をすると、ママは満足したのか部屋を出て行ったの。
「あ、クマちゃん、おはよう。お昼オムライスだって、やったねぇ」
タルトが嬉しそうに私に話しかけてくれた。
私はただ彼女を見つめるだけで何も応えない。
応える事が出来ない。
私はぬいぐるみだから。
それでも彼女は私に話をしてくれる。
「クマちゃん、昨日ゴメンね。痛かったよね?」
今度は、少しだけ悲しそうにいったの。
最初のコメントを投稿しよう!