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「おっ母さーんっ。飯ー♪」
テーブルに4人分のご飯を並べながらお父さんと喋るお母さんにアタシは笑顔で話しかける。
「あ、利玖。智衣呼んできてくれたのね、ありがと。それから智衣!女の子が飯だなんて言っちゃダメでしょー?」
「ほっほーい。わかったからわかったから」
お母さんの注意に軽く返事を返し、お父さんの向かいに座る。
利玖はアタシの隣に座り、"姉ちゃん麦茶入れてあげるね"、と微笑みながら言ってくる。
そんな利玖の頭を軽く撫でた後、目の前に置いてあるグラタンに目線を向ける。
ああ…グラタン様…。
この瞬間をどれだけ待ち望んだか…。
アタシはグラタンにハートを飛ばしながら見つめる。
「ね、姉ちゃん…、こっち向いてよ…」
グラタンに嫉妬したのか、利玖はアタシの腕をぐいぐい引っ張る。
「こらこら2人とも!喋ってないで早く食べちゃいなさい」
お母さんはエプロンを外した後、お父さんの横に座る。
「はははっ!利玖はほんとにお姉ちゃんの事が好きだなー」
誰にでもフレンドリーなお父さんは笑いながら言う。
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