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ワコが正解を出すと、それに続きリンたちが正解を出すのは時間の問題だった。
「よっしゃ!!」
「やったねー」
2人も真実の剣を差し込み、門をくぐる。
「おそかったなぁ」
「当たり前だろ、お前らに先を譲ったんだからな!」
「お兄ちゃん!おめでとう!!」
それから何十分か経つと、締め切りの時間になった。
リンと蘭華ペアの後には2ペアだけが門をくぐった。
リンたちのすぐあとは、トレジャーハンターの若い夫婦だ。30代前半位だろうか。
そのあとは考古学者の男のペアで2人とも40代位だろうか。何やら少し怪しい感じもする。
リンが気になっていたのは最初に門をくぐった金城と名乗る若い男。
未だにペアのもう1人が現れない。
「金城様、もうお一方は…?」
「あ、」
副村長が尋ねると、金城は少し俯いた。
すると、
「騙してすまない、実は、あの暗号、僕1人で解いたんだ…ペアが条件のこの企画に1人で参加してして改めてお詫びする。」
「なんやて?」
(あいつ1人で解いた…だと…?)
ワコもリンも動揺を隠せない。
「村長、ペアが条件です、この方の参加を認めますか??」
「うーむ…」
「いいんじゃないか?」
リンは1人意見を述べる。
「お兄ちゃん!?」
「人数が増える訳じゃないんだ、むしろ1人ならこれから不利になるかもしれない、そんな奴を不正にして取り締まらなくてもいいんじゃないか?」
「そやそや!そいつ天才なんや!どれだけの実力かみせてもらおうやないの!!」
「うむ、許可しよう。」
「村長!?」
「ありがとうございます、みなさん!」
金城は皆に頭を下げた。
「ありがとうございます、えーっと…」
「俺は緋崎凛、リンって呼んでくれ。」
「僕は金城将馬(カネシロショウマ)です。よろしく。」
2人は握手をした。
その握手を1人冷徹な目で睨む1人の男。
リンはまだなにも知らなかった。
フウもこれから何が起こるかなんて予想していなかった。
今は難問を突破した喜びに浸るだけ。
まさかここから恐ろしい事件に発展するとは…
「では皆さん、村内部まで案内します。」
磯根村、ここが殺戮のステージになる。
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