春★★ 京

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『一年生代表、広田 京』 今の今まで居眠りしていた京は、その言葉に反応して何事もなかったように立ち上がった。その姿は誰がどうみても優等生。 これが彼の特技であった。 京はこれまでの人生で自分の要領の良さに気付いていた。親の前ではこうすれば褒められる、先生の前ではこうすれば、男友達の前では、女友達の前では…。 勉強もスポーツも遊びも、何でもそつなくこなし、誰からも好かれた。もともと目鼻立ちがはっきりとしており、背も高かったので何もせずとも女の子に持てはやされた。 自分を偽っているつもりはない。しかし息をぬけないというのも事実。 新入生代表の話も、内心面倒臭いと思ったが、快く受けた。
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