6人が本棚に入れています
本棚に追加
初めのうちは頑なだった彼女が、次第に京に笑顔をみせはじめたころ、京は試しに言ってみた。
「俺、由香のコト好き…かも」
京は今までにたくさんの女の子に告白されてきた。しかし彼女たちの前でも京の寂しさは紛れなかった。
由香とは隣の席で、部活も同じで、由香になら素の自分も受け入れてもらえる気がした。
「あたしも…好きだけど自信ない…」
由香はうつ向いて呟く。
「なんで?由香も俺を好きならいーじゃん!決まり!」
京は半ば強引に言った。由香はばつが悪そうに、そして嬉しそうに、笑った。
由香の笑顔の横で俺も素直に笑いたい。
京はぼんやりと思った。
最初のコメントを投稿しよう!