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クラスの何人かに由香との関係を聞かれた。京はありのままに答えるが由香は否定しているようだった。
五月も中旬にはいり、春と言うより寧ろ夏のような陽気が続く。このまま穏やかに夏になればいいのだが、梅雨がやって来る。
雨の嫌いな京にとっては地獄の季節だ。
じめじめと雨の降る渡り廊下に京は呼び出された。
「別れたいんだけど」
いきなり由香から言われた言葉。女の子に初めて振られた京は、何と言い返せばいいかとっさに思い付かなかった。
俺たち、結構うまくいってなかった?
何か悪いことしたっけ?
ぼんやり考えていると、由香はそのまま走り去ってしまった。
背を丸めて。
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