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振り分けられた教室へと新入生達が戻っていく。美月はぽーっとしながら深い溜め息をついていた。
気を付ければ、とただでさえ惚れっぽい美月は一人ごちた。
一年生代表の背の高い男の子が頭から離れなかった。一目惚れ。美月にはよくあることだった。
もう高校生なんだから今までの様な恋はしない。こんな平凡な私と素敵な男の子の恋は成立しない。
美月はこの十五年間で学習していた。いくら想っても叶わぬ恋をする辛さを。
だから一目惚れしてしまいそうな男の子とは極力接触しないようにしていた。
不毛な恋をして辛いのは私。そんな馬鹿なことはもうしない。高校で私は生まれ変わるんだ!!
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