6人が本棚に入れています
本棚に追加
/92ページ
教室に入り、座席表を見て美月は深い落胆の溜め息をついた。
…まぁた豊と同じクラスかょ⤵
そしてもう一つ。
教室に一年生代表の男の子の姿がある。
関わりあいたくなかったなぁ、と思いつつ少し嬉しくもある。
駄目だといい聞かせてもやはり頬が緩んでいたらしい。いつのまにか隣に立っていた豊が
「俺がいるからってニヤけんなよ」
と、気味悪そうに言った。最早返す言葉もなかった美月は、豊を無視して自分の席についた。
席につくと美月はさりげなく彼を見た。
広田君…だっけ?
あ、隣の女の子と知り合いなんだ。同じ中学なのかな?仲良さそう。
美月は外を眺めた。
一階にある一年四組の教室の外からは桜も青空は見えなかった。
最初のコメントを投稿しよう!