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女の子が言い放つと真理亜の動きが止まって女の子の目を見ている。
「き、今日は逃げませんから…ね」
最初の威勢はどこに行ったのやら…
女の子は真理亜の前の席に座った。
『今日は』って言うことは何回か一緒にご飯を食べようと真理亜に声をかけたことがあるんだな…
そして無視されてどうしたら良いのか分からなくて逃げ出してたんだな~。
総は自分の弁当を広げながら言った。
「僕も一緒にいいかな?」
「あ、朝の迷子さん」
女の子は僕の声に気づくと変な名前で呼んできた。
「僕は辰川 総です、よろしくね」
「わ、私の名前は沢辺 栞です…よろしくお、おねがいします…」
お互いの自己紹介が終わると何か真理亜からの視線がすごい…
「あ、あの…九重院さん」
栞が真理亜を呼ぶ。
「……なに?」
無視すると思っていたが以外にも真理亜は返事をした。
「あ!ほ、放課後、暇ならどこか遊びに行きませんか?」
栞も返事が返ってきたのが嬉しかったのか笑顔で真理亜を誘う。
「…」
真理亜はどうしようか悩んでいる。
この好機!逃がすわけにはいかない!
「じゃあさ、一緒に遊びに行こうよ!」
「え…?」
「…」
僕のいきなりの提案に栞と真理亜は戸惑っている。
僕はさっき志野と話していたことを2人に話した。
「そ、それは良いですね!ね、九重院さん!」
栞は嬉しそうに真理亜に問いかける。
でも真理亜はまだ迷っている。
「よ、4人で行きましょうよ…」
栞は断れると思ったのかさっきより元気が無い。
「わかったわよ…」
「ほ、本当ですよ!や、約束ですからね!」
栞は喜んで自分のクラスに戻っていった。
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