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真理亜は何か言いたそうな顔をして僕を見ていた。
「何ですか?」
「…何でもない」
そう言って顔をそらした。
総も前を見ていると珍しく志野が1人で外のグラウンドを見ていた。
「志野」
「お?何だ辰川?」
僕は志野に遊びに行くことの話しをした。
「へ~、よく九重院 真理亜を誘えたな」
「正確には栞さんが誘ってたから僕が2人を誘った」
「昼休みになったらここに来る女の子って栞って言うんだ~」
志野はちょっと嬉しそうに呟いた。
「でも良く半年も頑張ったよな…」
「半年も!?」
思わず大声が出てしまった。
「1年の9月ぐらいからかな…あの子が九重院 真理亜に声をかけ続けてたのは…」
志野は思い出しながら懐かしそうに笑った。
「そのたんびに無視されてさ、恥かしくなって自分の教室に帰るんだよ…」
さっきまで笑っていた志野の顔が少しだけ悲しそうな表情になった気がした。
「あの子、あんまり自分の意見があまり言えなくてさ~
自分から話しかけるのも珍しいんだよ…
それなのに半年も無視されてさ~…今日の放課後は楽しくしないとな!」
そう言って満面の笑みで僕の肩を叩いた。
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