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「ちょっと待った!」
僕は今にも飛び降りそうな女の子の手を掴んだ。
「!?」
彼女はこの時初めて僕の存在に気づいただろう。
「…放しなさい」
彼女は冷静に冷たく言う。
「放したら飛び降りるんだろ?」
「当たり前でしょ」
「ならヤダ」
なんでなんでこう言ったのか僕自身もわからない…
僕も死にに来たのに…
「誰かもわからないアナタに私の何がわかるの?」
彼女の顔は今にも泣きそうな表情をしていた。
たしかに、今日初めて会ったしまだ自己紹介もしていない
明らかに他人で自殺を止める理由も無い…
うん、ないけど。
見てしまった、から…
「君の事は知らないし、興味もない」
「なら…――」
「でも、今から自殺する人が、自ら死を選んだ人がそんな表情はしないはず…
本当は生きたいんじゃないの?」
「アナタに………な、に…が……」
そのまま彼女は泣き崩れた。
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