轟きに鳴いた日

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  「お、おはよう。みんなは仲が良いんだな。〝みんな〟は」  ドヤ顔で、おばさんは『ね?』と訴えかけて来た。言ったでしょう? と言わんばかりに。 「ママ! ね、じゃない! 違うのよ! これは別に」  幼なじみは必死に弁明しようとする。だが、彼女には届いていないようだ。 「男の部屋で、みんな、みんな……Д☆●×%□△ッ!!」 「姉さんが壊れた!?」 「みんな、みんな! 私だけをそうやって除け者にするんだなっ!」  隣にいた幼なじみが布団から飛び出し、訳の分からない単語を連発する従姉の下へ駆け寄る。  釈明と自分の従姉に聞かせる中、彼女達の会話に、俺に対する罵詈雑言が混じっていたが、この際目を瞑ろう。いや、耳を塞ごう。 「これどう収拾つけるんだ?」  俺はこれから起こるであろう災いに背を向け、しばしの間、現実逃避を決め込む。俺の周りでギャーギャー騒ぐ雑音に耳を塞いだ。  あー、今日の1日も従姉さんやらのお説教から始まるんだろうな。布団の中で、俺は今だけは寝かして欲しいと思った。  
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